【経歴書の書き方の注意点】

目次

【そもそも経歴書とは?】

経歴書は、「どのような環境の中で、どれだけの実績を出してきたか」「その実績を、環境を変えて、どのように活かしていけるか」を理解するための説明書とも言えます。
多くの人が「詳細に、過去の経歴を伝えようとする」「志望理由などで熱意を伝えようとする」のですが、それは「nice to hava」くらいで「must have」ではないです。

経歴書には、
・あくまで過去のもので、未来を作れる訳ではない
・自己申告制なので、盛った内容も書ける
といった欠点があります。

「過去」「主観」の時点で、「未来」「客観」を重視する選考過程においては、一定の充実度で良いと考えています。

【経歴書以外でアピールする方法】

それでは、経歴書以外でアピールするには、どのような方法があるでしょうか?

①企画書にコダワル

おそらく企業側が喜ぶことの一つは、企画書を作成してくることです。
どのようなフォーマットでも良いので、入社後のアウトプットイメージを詳細に作ることで、企業側と詳細に擦り合わせが出来ると思います。
これによって、企業側が安心に採用に踏み込める他、候補者側も、「こんなはずでは、なかった」という期待値のギャップが生まれづらいと思います。

②実際に、使ってみる。やってみる。作ってみる

・選考を考えている企業の製品やサービスを、ユーザーとして使ってみる。
・競合企業のものも使ってみる。
・顧客として、接してみて、相手の反応を確認してみる
・入社した時に想定される動きを、入社前にやってみる。
・似たようなサービスを、自分なりに作ってみる。

③実際に働いてみる

副業のような形で、一月〜数ヶ月、実際に働いてみる。
これが一番正確に相性が見えると思います。
メリットは、「ミスマッチが生まれづらい」「入社した場合の立ち上がりが速い」
デメリットは、「立ち上がりが速くない、大器晩成型のタイプの候補者を落としてしまう」「幻滅期に判断するタイミングがある」
などが考えられます。

【経歴書でアピールした成功例・失敗例】

経歴書は学歴に近いです。
過去の優秀さの一つの指標になりますし、その人のことを一定表していますが、詳細を保証するものではないです。
とはいえ、ほとんどの選考が経歴書から始まっているように、ここで優劣が付くことが多いのも事実です。

経歴書で上手くいった事例と失敗した事例について、記してみます。

▼成功例①

・状況:大前提として、今いる現状が、その人の実力を表していることが多いです。ただ、不幸な転職が重なったり、勿体無い状況にいる候補者の方もいます。
・対応策:具体的に「どのような環境で」「何をやって」「どのぐらいの成果を出して」「それを、選考企業で、どのように活かしていけるか」「これまでの転職における合理的な理由」を「抜け漏れなく、最小限の文章で」表現することが出来た
・ポイント:
転職回数が多く、実績も通常なら落ちるレベルの候補者だったものの、経歴書の内容が要点を押さえられていて、非常に美しく、頭の良さは伝わる内容だった。
そして、実際に会うと、その聡明さが認められて、内定。入社後も長きにわたって、活躍をする。

過去、現在、未来についてを経歴書にて、表現が出来た事例と言えます。

▼失敗例①:「内容が薄くて、やる気の無さが伝わる」

多くの場合、やる気のなさは、文章の質・量に表れています。
経歴書を見る側は、何千、何万という経歴書を見てきているので、一瞬で分かります。
稀に優秀な方で「俺に、こんなもの書かせるんじゃない」といったスタンスの方がいて、実際に、優秀で入社後も活躍する人もいます。
ただ、割合的には、100人に1人もいないので、よほど自信がある人以外は、あまりお勧め出来ないです。

▼失敗例②:「ダラダラとした長文で記載して、待ち受け姿勢が伝わる」

例えば、経歴書に、自身の経歴を長く書き連ねるパターンです。
「これだけ多くの事をやってきたので、どこか活かせる部分を、企業側で見つけてください」というメッセージに見えます。
人を家電に喩えるのは違うかもしれませんが、細かい部分まで読まないと使われない製品は、そもそも使われません。
Appleとかを見ても、感覚的に「こう使えば良いんだ」「こうすれば、望んだ成果が得られるんだ」と理解が出来るからこそ、高価格ながら世界中で使われている訳です。
「自身をどう使ってほしいのか」「自身は、どのように活躍をしていきたいのか」といったメッセージを経歴書に込めたほうが良いと思います。

▼失敗例③:「過去、現在、未来が繋がらない」

成功例の裏返しですが、「やってきた事」「今、自身が出来る事」「転職後にやりたい事」が繋がらないケースも散見されます。
ある意味で、自身の経歴書で、ズレていることを証明しているのに近いです。
ズレている場合には、まずは、そのズレを理解していることを伝えた上で、どのようにキャッチアップしていくのか、どのようなアウトプットをしていくのかを伝えていく必要があると思います。

▼総論

経歴書は選考において大切な書類ですし、論理的かつ丁寧に記載をされたほうが良いと思います。
一方で、あくまで過去の整理なので、そこに時間を投資しすぎるよりも、未来についての整理に時間を投じたほうが生産的ですし、企業側の評価が上がることもあります。

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