営業系の転職を考える。どのような選択肢があり、何を選ぶべきか

目次

【そもそも営業とは?】

シンプルに「売る人」です。
そして、どのような時に売れるかで言えば、一つは「顧客のコスト」よりも、「提供する価値」が上回った時です。
顧客が「購入を検討している理由」「買わない理由」をヒアリングしながら、「ニーズやリスクに対して、自身が提供出来る価値」を超えていくような言語化、提案を進めていきます。
また、価値計算ではなく「人間関係」「商慣習」「法的、仕組み的に買う必要がある」などで購入される場合もあります。

【営業職の採用ニーズ】

企業にとって、売上の拡大は、最も重要な経営課題です。
そのため、営業職の採用ニーズは常に強いと言えます。
採用基準も明白で「コスト以上の、利益を生めるか」です。
その意味では、非常にfairな領域です。

【転職先の選び方】

ビジネスパーソンとしては、自身の年収の3倍以上の利益を生む必要があると思います。
逆説的に言えば、「年収の3倍以上の利益を生むために、営業という役割を活用する人」とも言えます。
それだけの利益を生むには、利益を生める「商材」「役割」「顧客」かを確認する必要があります。

▼商材

・自身が「売りたい」と思える魅力的な商材か
・顧客が価値を感じる「売れる」と思える商材か

▼役割

・プレイヤーか、マネジメントか。
・新規開拓か。既存深耕営業か。
・フィールドセールス、カスタマーサクセス、インサイドセールス、チャネルセールスなど。

▼顧客

・自身が知識、経験がある業界か。強みや経験を活かせるか
・既に顧客先の検討がついているか
・興味深い、好きな顧客か
・顧客がお金を持っているか

【面接のコツ】

まずは、これまでの営業活動についての因数分解します。

同じ営業であっても、
『SMB向けに、10万円の商材を、1週間で導入』
『大企業向けに、1億円の商材を、1年で導入』
だと、意味合いが全然異なります。

企業側も、実績を出していただくために、これまでの営業実績との共通項が多い方を採用したいと考えます。
共通項を見出して、即戦力性を伝える意味でも、下記のような整理をすると良いと思います。

▼実際の仕事の流れ

・リード、商談、クロージング内容が活かせる部分はあるか
・違う部分は、どのようにカバーするか

▼顧客

・大企業かSMBか
・金融や製造など、特定の業界に実績があるか

▼幾らぐらいの商材か

これまでと扱う金額感は同じか。違う場合でも問題ないか。

▼クロージングまでの期間

SMB向けだと経営者の鶴の一声で決まる場合もありますが、大企業だと、顧客の色々な人達に、価値を納得もらう必要があるため、時間や工数がかかります。

▼顧客の誰と話すか

・経営者、部門長など決定者と話しているか
・どのような担当者と、どのような形で、物事を進めてきたか

▼顧客のニーズを、どのように満足させたか

・具体的なサービス提供
・情報提供
・人間関係の構築

【営業系キャリアを進むメリット・デメリット】

▼メリット

・最大のメリットは、売上をあげることが出来ること。
 事業成長に直接関われますし、やり甲斐を感じることが出来る瞬間があります。
・クライアントやマーケットニーズを汲み取ることが出来ること。
 それらのニーズを形にして、プロダクトを作り、起業する場合や、事業を作っていくケースも多いです。

▼デメリット

成果が目に見えるので、結果が出ないと厳しいです。プレッシャーと良い付き合い方が必要になります。

【事例】

▼成功例1

・ケース:Saas企業→Saas企業
・年齢:40代中盤
・ポジション:営業責任者
・待遇:1200万円→1800万円超
・転職時の成功ポイント:
スタートアップのCOOとして活躍していたものの、世の中により大きな影響を与えたいと考えてメガベンチャーへ転職。
もともとがコンサル出身ということもあり、大きな組織の中でも活躍できる素養があり、これまでの集大成とも言える環境を選択。
スタートアップほどのヒリヒリ感はないものの、確かな形で、継続した価値を提供できている実感があり、満足した働きができている状況。

▼成功例2

・ケース:外資系Saas企業→国内系Saas企業
・年齢:40代中盤
・ポジション:営業責任者候補
・待遇:5000万円→3000万円+SO
・転職時の成功ポイント:
長く大手外資系企業で働いてきたことから、既に一定の資産を保有。
「自分のやりたい事をやる」と決めた時に、これまで外資系企業で培ってきたノウハウ、実績を踏まえて、日本企業の役に立ちたいと考える。
これまでの営業実績や顧客層、業界感を活かせるので、個人としての営業実績も出しながらも、型化を進めて、組織力向上を推進。

▼成功例3

・ケース:Saas企業→Saas企業
・年齢:40代中盤
・ポジション:子会社社長
・待遇:1500万円→1800万円
・転職時の成功ポイント:
同業界内での転職ということもあり、もともとは候補者側の意向は低かった。
ただ、企業側が新会社の設立を考えていて、営業としてではなく、経営者としてオファーをしたことにより、成立。
入社後、毎年、30%以上の事業成長を実現。

▼改善例1

・ケース:Saas企業→Saas企業
・年齢:40代前半
・ポジション:営業責任者候補
・ポイント:
これは弊社の事例ではないですが、これまで営業マネージャーだった方が、社長に気に入られて、営業責任者として転職。
入社後、過去1年で2回営業責任者が退職したことが判明。
代表が気分屋で、入社前後の対応が全く違い、信頼関係の構築が難しいことが原因だったようです。
顧客に向き合って仕事をするのが好きな方だったので、社長を一番配慮する必要がある環境は合わないと考えて、早期の退職を決断。

【結論】

営業職は、事業成長に直接関わることが出来る職種ですし、人とのコミュニケーションの中で成果を生むことが出来る、やり甲斐のある仕事です。
また、色々なニーズを汲み取ったり、人間関係が広がっていく中で、起業や事業立ち上げへのキャリアパスにも繋げていくことも出来ます。
営業職を楽しむためには、やはり結果を出すことが一番です。
「何を、誰に、どんな理由で」売っていくかの解像度を高めて、自分が売っていける環境を選んでもらえればと思います。

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